プロローグ―先生説明遅いです

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「ふぅー……」 息を吐いて、深呼吸。 教室の扉の向こう側で、今頃転校生がいるとかなんだかの説明があるのだろう。 小説で読んだことしかない光景だから、想像がつきにくい。 今までいた学校では、転校生など来たことなくむしろ自分が転校してしまった身なのだけれど。 まぁ、前の学校には1年しかいなかったから経験が少ないのもしょうがない。 「はふぅ…」 緊張が半端ない。 普通の転校生だったらさして緊張はしないのだろうけど、自分は普通じゃない。 「………ぅー……」 なかなか呼ばれない。 これだったらいっそさっさと呼ばれてこの緊張を終わらせたほうが 「海淵寺くんどうぞー」 ごめんなさい嘘ですもうちょっと待って心の準備がひっひっふー …………よし、いこう!(諦め) どうせ恐らくこれからは好奇の目に晒されながら学校生活を送るのだから。 これくらいの緊張どうってことない。 僕は決心して扉を開けた。
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