なんてこともない平凡な転校生でありたかった。

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静まり返った教室をコツ、コツと慣れないローファーで教卓の横まで歩く。 そして黒板に書いてある自分の名前を確認してから自己紹介をする。 「海淵寺海唄、8歳です。国の計画のせいで今日からこの学校このクラスで高校生をやることになりました。よろしくお願いします」 「……はい、では席はあそこの強面の―」 「「ちょっと待てええええええええええ!?」」 教室中に大合唱が響き渡った。 クラスメイト全員が腹から声出すとこんなにうるさいんだ。僕びっくりだよ。 「8歳!?8歳ってどういうこと!?」 「国の計画とかなに!?」 「先生なんで説明しないで昨日のデートの話とかしてたの!?」 「まってかわいい撫でさせて抱きしめさせて弟にさせて」 「とりあえず全て説明してくれええええええええっ!!」 一部聞いてはいけないものを聞いてしまった気分だがごもっとも。 「えと……僕から説明するので皆さん落ち着いてください」 ここは先生が「あら元気ね」とかやってて頼りにならないにもほどがあるので僕が説明するしかないだろう。 大丈夫なのかこの先生。
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