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二〇一四年。
沖縄南東に突如として現れた島──幡南島。
当初の規模は五〇メートル四方だった島は、一年の間に急激に成長し、四国地方を凌駕するまでの大きさに拡大した。
この島の支配権に関して中国、韓国、北朝鮮、オーストラリア、日本が我先にと宣言したが、国際連合での話し合いは長引きかれこれ三年。
話し合いは成立せず、遂に悲劇は起きた。
韓国政府が中国政府と軍事協力し、幡南島へ侵攻。
これをオーストラリア、日本が応戦した。
第三次世界大戦。
起こしてはならない戦争がまたしても起きてしまったのだ。
激化の一途を辿った戦争は三〇年も続き、被害は第二次世界大戦の倍以上にまで達した。
原因としてあげられるのは現代科学と"魔法"だろう。先の戦争によって科学技術は大幅に進化した。正と負の両面にたいして。
正は鉄道網の発達などが挙げられる。
たが、それ以上に負の面は著しかった。
死の産物─エステロンアイデアⅢ─。
第三次世界大戦中にオーストラリアの科学者エステロンが産み出した自然界には一切の被害を与えずに人間のみを死へと誘う新たなる三つの負の技術だ。
死の空気、死の水、死の薬。
これらの兵器によって韓国・中国連合軍は甚大な被害を受け、二〇二〇年三月に国家として滅亡した。
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