34人が本棚に入れています
本棚に追加
『穴場』と言うか『溜まり場』の様だ。
女はカウンターの隅に座ると一言だけ口を開いた。
「いつもの」
コートのポケットから煙草を取り出すと、面倒臭そうにライターで火をつけた。
「どうぞ」
直ぐに、バーテンが赤い液体の入ったグラスを女の前に置いた。
女はグラスを手に取り、バーテンに尋ねた。
「で?どいつだ?」
初めてバーテンは女の目を見ると、申し訳なさそうに小声で
「あちらのキャップを被った、カウンターの お客様です」
と、言った。
女はチラッと見ると
「STAFF ROOMへ呼べ」
と言うと、赤い液体を一気に飲みほした。
最初のコメントを投稿しよう!