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店内の奥にある『STAFF ROOM』と書かれた扉のノブに女は手をかざしてから開け入った。
酔った客が、手洗い場と間違えない様に『STAFF ROOM 』と貼られ、鍵がかけられているのだ。
(アタシには鍵なんか意味ないしね)
(ニャ!)
アタシとリンは人間達の前では、声を出さずに心の会話をしている。
(本当は通り抜け出来るけど、仕方無い……。
いくら酔った客ばかりとは言え、見てる人間は見てるからねぇ~
面倒臭っ!)
(人間世界は面倒臭い事だらけだねぇ~)
(本当だよ)
アタシとリンは『START ROOM 』に入ると声を出して会話した。
「まったく!シンの奴
依頼人とは会わすなって言ってあるのに!」
「使えない奴だニャ!」
リンがプンプン と怒る。
「リサ
バシッと言った方が良いよ!」
リサと呼ばれた女は、少し悩んでから
「んー
でも、シンは仲間だし 人間世界で生きていく知恵とか色々、教わってるからねぇ~
何て言うか、持ちつ持たれず みたいな?」
と、軽く首を傾げた。
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