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「写真立ての女?」
これだけは確かめておかねばと、意を決して投げ掛けた質問に首をかしげられた。
ベットサイドの、、、といいよどむと
「あぁ!アレ!」
と、何故か笑いながら返された。
なぜ笑われるのかと憮然とした俺は、突然電話をかけ始めた要が、電話を閉じて満面の笑みで
「今日の夜、説明するよ。」
そう告げられて、ただ頷いた。
その夜。趣味の良いイタリアンを貸し切った要が指差した席に、ソレはいた。
「ヤダー!本当に彼氏じゃない!
しかも、イケメン!
カナちゃんやるわね~!!」
やたらテンションの高い、どこからどう見ても可憐な乙女の姿をして、裏声で話すオカマ。
性別を間違えた吹替え映像をみせられているようだ。
どうリアクションをとってよいか分からず固まっている俺を、要が促して席に座らせる。
ワザワザ貸しきりにした意味がわかった。
この生き物は余りにも刺激が強い。
「要の兄の透でっす!
外で呼ぶときは、トーコちゃんって呼んでね」
明らかに語尾にハァトマークを付けられて、、、力なく頷いた。
、、、今。兄と、言ったか?
身体から力がぬけていくのを感じながら、要をみる。
「父さんが、子供には投資はするけど自由に生きろって方針でね。
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