スタンド バイ ミー

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東京に帰ってきて、ついた仕事はケア部門ではなくジムだった。 最初は、あんなに勉強したケア部門に入れなくてガッカリもしたけれど、入ってみればジムも楽しかった。 それに、正直いうと。 ケアで大柄な選手と密室に二人にきりという状況は、正直胃が縮む思いもしたので、ジム部門は正解だったんだと思う。 それに、春から無事に入団した篠田が毎日ジムにくる。 お前、それ以上筋肉つけてどうすんの?というぐらいなのだが。 チームの練習が終わった後、ジムに来て最後まで居残り。 後片付けをすます俺をまって、二人で家に帰る。 そう。 東京に戻ってきた俺は篠田の強い希望で、篠田の家に同居することになった。 もともと家族向けの2LDK をもて余していた篠田は、まるまる一室を俺に提供してくれたが実は殆どつかってない。 書斎と化した6畳の洋室には、殆どおらず。 ほぼすべての時間をリビングと寝室で過ごした。 正直、あまりにもただれていると思うのだが、まるで新婚のようなこの生活は居心地がよく。 離れていた間も、ほぼ毎週あっていたというのに。それでも足りないと感じていた時間を取り戻そうとしているかのようだった。 今日は珍しく篠田が遅い。 なんでもチームの監督が交代するらしく、新しい監督がくるまえに皆で送別会をするのだという。 一人には広すぎる部屋で、今日の晩飯を温める。 出来なくはないが得意ではない料理は、すっかり篠田の担当となり。今日も冷蔵庫に温めるだけにした夕飯を準備してくれていた。 さすがにこれは甘えすぎだよなと、頭をかきながら、広いソファに座り夕飯を平らげた。 洗いものを済ませ、風呂にも入り、ついでに洗濯機をまわしてから、掃除機もかけた。 家中に掃除機をかけている間に出来た洗濯ものを乾燥機につっこんでから、残りの片付けも終わり、いよいよ何もすることがなくなる。 暇だ。 果てしなく、暇だ。
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