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後ろからギュッとだき締められた状態で、篠田に寄りかかって目を閉じた。
何となく熱を帯びた身体を意識して、軽く身を離そうとすると、前で大人しく組まれていた手が鎖を解いて肌に触れてきた。
一瞬。離れようかとも思うが、背中に当たる篠田の熱を感じて抵抗を止めた。
一旦スイッチが入った篠田は貪欲で。
逃げ出そうとすれば、余計に追いたてられて喰い尽くされる。
暖かい湯を掻き分けて肌を滑る手は、俺の身体を知り尽くしていて。
温泉で暖まった身体は、篠田の手に吸い付くように熱を発した。
たまらず漏れるあえぎ声が空にとけて、明るい日差しの中で勃ち上がった己の雄が目に入り、たまらず視線を逸らした。
離れとはいえ、野外での愛撫に息は上がり、熱病のように頬を染める欲は例えようもなく甘美だ。
逆上せそうな身体を湯から引き上げると、待ち構えていた篠田にそのまま後ろから穿たれる。
身体中を駆け抜ける鋭敏なその感覚に、思わず身を震わせた。
抱かれれば、抱かれるほど良くなる。
まるで篠田に溶かされて、丁度揃いの鍵穴のようにピッタリと迎えいれる篠田の形に作り替えられたようだ。
こんなに良いと、馬鹿になりそうだ。
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