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際限なく篠田を求めてしまいそうな自分を戒める。
俺には大きな胸も、柔らかな肉もない。
篠田を引き付ける特別な魅力を持たない身体に、アイツが飽きてしまったら?
気の迷いだったと手を放された時。
篠田を繋ぎとめる術を、何も持たない身体。
せめて飽きられないように。
求めすぎる自分を抑える事しかできない。
腰を捕まれて、大きく揺すられて声が漏れた。
思わず噛み締めた唇に、後ろから口づけされて、苦しくて喘いだ所に、指を差し込まれて漏れる声をとめられない。
反り返った腰が揺れて、膝から崩れ落ちそうになった所を抱えられて廻された。
正面から向かいあった首に腕を絡ませて、必死にしがみつく。
目の前にある篠田の肩に唇を押し付けると、下から強く突き上げられて思わず噛みついた。
口の中に鉄の味が拡がって、慌てて離した口を篠田の口でふさがれる。
速度をました腰の動きに、謝罪を口にする事もできず、ただ翻弄され乱れる。
燦々と輝く太陽の下で、抱かれている。
さわやかな木々の揺れる音に混じって、耳に届く場違いな濡れた音に追いつめられて首を横にふった。
そっと。のびてきた篠田の手に顎を捕まれて、また口づけられた。
「こんなに熱くなってるのに、やめたいのか?」
耳元で呟かれながら、腰を捕まれていた手を放された。
抱えあげられて、繋がったまま。
重力の導きで深く篠田をのみ込む場所を、硬度を増した雄に揺すられて、いつもより深い場所を抉られる。
篠田のいう熱い場所が何処かを強く意識させられて、頬に血がかけ上がる。
たまらず目を閉じて仰いだ先に、太陽の蔭が写った。
太陽が見ている。
秘めやかな行為を、陽の下で行う背徳感に身体が震え、瞼に写る光が強さを増した。
意識を手放すのと、身体の奥で篠田の吐き 出す熱を感じたのは、ほぼ同時だった。
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