サイレント・ナイト

6/49
前へ
/350ページ
次へ
要から贈られたのは、深いグリーンにも見える黒のシングルスーツで、中に着るベストもセットされていた。 共布と明るい色のズボンもついていて、身体にビッタリとそって着心地がいい。 図ったようにピッタリで驚いていると、銀色のネクタイを締めながら要が笑った。 「良く似合ってる。 これは、脱がせがいがあるよね。」 近づいてきた要がシットリと唇を合わせながら、舌先で口を開くように歯列をノックした。 抱き締めて、口づけを深くしようとすると、要に止められた。 「駄目だよ。 新しいスーツがシワになるだろ? ジッとしてて?」 腰に回した手をはたかれて、両手を宙に置く。 満足げに笑われて、着せられたスーツの上から、緩慢な指の動きで胸元を刺激される。 緩やかに、決して急がない。 優しい指先に煽られた。 面白そうに煌めいていた瞳がすがめられて熱の灯ったソレに。要にも火がついたことが感じられて、尚更煽られる。 ネクタイも外さず、ただシャツのボタンだけをはだけて、肌を滑る手の動きに思わず唸った。 胸元で揺れる要の柔らかい髪に手を添えた。 このまま形の良い耳に手を滑らして、柔らかな肌に触れたい欲望が頭をもたげるが、要からの赦しがでない。 「、、、まだ、駄目ですか?」 耐えきれずたずねれば、ただ「駄目。」と、無情な言葉を返される。 既に熱を持って、形を変えたソレを優しく擦られてため息がもれた。 背中を駆け抜けていった快楽に、軽く目を瞑ると、ベルトが外されて、ジッパーを降ろされた。 窮屈だった場所から開放されて、一気に血が流れこみ。あきらかな形を現した俺を、要の手が下着ごしに触れて、上向きに向きを変えられる。 血流を邪魔するものがなくなって、完全に勃ちあがったのが見なくても分かった。
/350ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1806人が本棚に入れています
本棚に追加