サイレント・ナイト

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「そうやって、君が甘やかすから。」 小さく落とされたため息ごとすくいとってキスをかわす。 しっとりと濡れた唇は柔らかく形をかえながら、与えられる力にあわせて添い、俺を受け入れて。 暖かい口内に差し込んだ舌に、巻き付くように重ねられた舌が、なめあげてくる。 挑発を受け入れて、濡れた感触に這い上がってくる快感をなぞるように、小さく震える唇を舌先でたどった。 水音と、吐息。 静かな室内で、やたらと耳に響く事情音に、鼓膜が犯されて堪らなく煽られる。 抱く度に、今だ底の見えない深淵を覗き込んだような気持ちになる。 確かにこの腕に抱いて、深く己を受け入れて悦びに震えるのに、どこか余裕で俺を導く。 なにもかも忘れさせて乱れさせたいと挑むのに、ヒラリとかわされて手のひらで転がされているような感覚。 経験値の差といってしまえば、それまでだが。 年齢差だけではない、その距離に嫉妬する。 反りかえった背中のお陰で、目の前につきだされた突起を口に含んだ。 小さく立ち上がった芽を舌先でころがして、力を強めてこね潰す。 吸い上げて、舐めとり。 要の反応を感じとりながら、刺激をかえて追い上げていく。 完全に勃ちあがった要を上下に抜きながら、さらに追う。
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