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眼差しを会わせながら、身をよせれば汗と雄の匂いに欲望に火がついて、たまらなく追いたてられる。
覗きこんだ眼差しに、同じ熱さの欲情を感じて、さらに煽られた。
「堪らないね。」
感極まって、囁けば。
埋め込まれた楔が容積を増す。
「、、、アンタは、またっ!」
今までよりも深くまで穿ちながら、背中を震わした原西が唸る。
これくらいの言葉遊びのハンデは、仕方がないと思うのだけど。
現に原西の額から滑り落ちた汗が、その浅黒い肌の上を音もなく流れる様に見とれ、濡れた楔をくわえこんだ場所が無意識に麻痺する。
水に氷が張るように。音もなく身体中に痺れるような甘い疼きが拡がって、たまらず洩らした息が、ねだるように甘く響く。
つい数分前に、もう受け入れられないと悲鳴をあげたはずの身体が、体内を混ぜっ返す熱い塊を求めて蠢くのが自分でもわかる。
いくら受け入れても満たされない。
いや。
一旦は溢れるほどに満たされるのに。
気付いた時には、欲深い僕の中心がもっとと叫んで愛を求める。
いつか溢れるほどに与えられるこの愛が、渇れてしまったら?
欲望とか違う。
冷えた汗が、背中を伝う。
一気に形をなくした僕に、手を添えていた原西が、不安そうに覗きこんできた。
「辛いんですか?」
あわてて身体を離そうとする恋人に抱きついて、無言で首をふる。
今、口を開けばとんでもない泣き言をわめいてしまいそうで、厚い胸板にギュッと抱きついた。
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