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早朝から出社して、溜まりかけていた仕事を片付け、決裁した書類を事務かたにまわす。
今、この時にも。
少しづつ原西との距離が近づいているのだと思うと、不思議なほどやる気がわいてくる。
思っていたより、一時間ほど早く。今日の締め切り分が片付いて、晴れて自由の身だ。
幸い、今日の午後にアポイントは入っておらず。
時間の調整は、簡単だった。
既に午後は休みの連絡を入れて、あとは原西を待つのみだ。
時計を見ると、時刻は10時をさしていた。
今ごろは、伊丹に到着したころだろう。
自宅に戻ろうかとも思ったが、それでは帰りが早くなる。
原西には、連絡を入れるようにメールを送った。
それから、コンシェルジュサービスに電話して、伊丹近くの宿と昼食のケイタリングを手配する。
そのままタクシーに飛び乗って、羽田までの道を急いだ。
折り返しかかってきたコンシェルジュに予約の確認をし、原西が先につくことを伝える。
一時間もあれば伊丹につく。
原西が最終で予約をしていれば、ほぼ六時間は二人っきりでいられる。
あまりにも必死な自分に気がついて笑うと同時に、手の中の携帯が震えた。
原西の名を表示するディスプレィさえいとおしい。
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