Absence makes the heart grow fonder.

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頂きに登り、息を弾ませて倒れこむ。 抱き締めたままの肢体も、汗ばんで息を弾ませたままだ。 溢れるほどの愛しさと共に、切なさで胸が締め付けられる。 この腕に抱いて、閉じ込めたままの恋人の瞳が。来るはずのない別れに、覚悟を秘めているような気がするから。 俺がこの手を、手放せるはずなどないのに。 さびしくはない。 同じ想いの強さで、引き合う恋人がこの胸の中にいる。 ただ、強すぎるほどに強く。 潔い、その背中を切ないと思うだけ。 早く横に並んで、その背に手を添えて並び立ちたい。 俺を見上げる澄んだ瞳に微笑んで、しっとりと汗が滲んだ額に口づけた。 あれだけ深く情交の海に沈んだのに、今はもう、ベットの上で晴れやかに微笑んでいる恋人に、クラリと目眩がした。 まるで麻薬のように俺を誘う。 沸き上がってくる欲に負けて、また口づけて。入れっぱなしだった雄を再度動かせば、甘く鳴いて脚を絡めてくる。 身体を繋ぐのは簡単で。 欲情は簡単に絡みあう。
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