1806人が本棚に入れています
本棚に追加
「なぁ。
もう、起きてもいいか?」
テレビに流れるエンドロールから目線をはずして、ソファに横になった姿勢から、ずっと俺に膝枕をしたままの篠田を見上げながら問いかけた。
昼間に、篠田と合流した後。
微妙にふらつく俺を見た篠田に、有無を言わさずタクシーにおしこまれた。
あれから。看護婦さんに言われた通りに水分をとり。何度かトイレに通ったお陰で、気分もすっかり良くなった。
食欲はまだ戻らないが、不調というほどの体調でもない。
なのに。
篠田の目の前でフラついて転けそうになったせいで、いまだに起き上がる許可がおりない。
「晩飯は、もう食べれそうか?」
篠田が、俺の額に手をおいて熱を計りながら見下ろしてきた。
、、、熱はないはずだが、篠田の目には、よほど弱ってみえるらしい。
腹はすいていないが、なにか口に入れなければ篠田が納得せずに、いつまでもこの格好のままだろうと、頷く。
帰ってくるなり、寝室に寝かされそうになったのを、平気だからリビングに居ると駄々をこねて、やっと納得させた。
篠田と出掛けるはずだった休日なのに。
一人で一日中ベットの中だなんて、残念すぎる。
最初のコメントを投稿しよう!