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だが、いつまでもこうしてじっとしているわけにもいかない。
三十路もとうに過ぎて、篠田とは何度も肌を合わせた仲だ。
いくら、自分から誘った回数がすくないとはいえ湊も男だ。
いつまでも恥ずかしがって、なんのリアクションもとれないというのは、情けなさすぎる。
意を決して、隣にすわる篠田の肩にあたまを寄せる。
わずかに、篠田の肩がこわばった気がしないでもないが、この勢いを消してしまえばこれ以上先に進めない気がして、エイヤと気合いを入れて篠田の膝に手をのばす。
と、その途中で、予想外の位置に勃ちあがっていた篠田に指先があたった。
「えっ?」
あまりに予想の範囲を越えていた出来事に思わず声がでる。
ぽかんとして見上げれば、何だか悔しげな顔をした篠田がいて、思わずそのまま再度下を向いて、勃ちあがりきった雄をまじまじと見つめてしまう。
「えっと、、、。あれ?」
どうやって、篠田をその気にさせようかと悩んでいた最中だっただけに、事態についていけず、もう一度、篠田の顔をみあげた。
そのまましばらく固まったままの湊に、やけにユックリと視線を合わせた篠田が重々しくため息をついたかとおもうと
「、、、、こんなん我慢とか、無理だろ。」と、吐き捨てるように呟いた。
湊が口を開くより早く、篠田に隙間もないほど塞がれて、こまりはしないがあまりの勢いに思わず腰が引けた。
逃げ腰になる湊に、荒い息を吐きながら篠田がにじりよってくる。
あまりの勢いに、逃げ場もないのに思わず後退する。
思惑どおりといえば、そのとおりだが。
思っていたより激しい篠田の反応に困惑する。
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