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「嫌じゃねぇけど、、、、。」
いいよどむ湊にやけに真剣な眼差しでみつめる篠田に白旗をあげる。
「此方に座ってもらって、いい?」
なるべく視線をあわせないようにしながら告げれば、不承不承といった様子で篠田が浴槽に腰かける。
どうしたって目に入るそそりたつ雄に手をやって、ユルユルと環をつくった指先と手のひらをつかってなでさすった。
小さく呻き声をあげながら、明るい照明の下でマジマジと見つめられて、追いたてる側のはずの湊のほうがのぼせあがりそうだ。
篠田が口を開く気配がして、なにか言われる前にと、熱を放つそれに舌を這わせて口を封じる。
熱い息づかいを耳に感じて、熱があがった。
せめて一度は追いあげたいと無心に口に含んで、頬と舌先をつかって責め立てながら見上げれば、やけに熱をおびた目に捕らえられて震えた。
耳に響く水音が生々しくて、押さえきれずに頬に血がのぼる。
耐えきれない吐息が、肺の奥から込み上げてきて、大きく口をあけて息をはいた。
その拍子に、あてるつもりのなかった犬歯が熱い塊を掠める。
「、、、待っ!」突然、篠田が焦った声をあげた。
不意に、ドクリと脈うった雄から放たれた、消毒液によくにた香りをはなつソレに。口を放すまもなく口内を犯される。
必死に湊の頭を離そうとつかまれた指先が震えて、唖然としたままの湊を篠田の熱い視線がからめとる。
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