万有引力

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幸福というには、あまりに日常になりすぎていて、見落しそうになる。 手を伸ばせば、すぐに届く体温も。降り積もる雪のように、静かに暗闇に溶ける安らかな寝息も。 気がつけば、毎日。当然のように近くにあった。 幸せに浸りきり、自分が幸福の最中にいるのだということに緩慢になる。 贅沢で、傲慢な日常。
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