1806人が本棚に入れています
本棚に追加
ムカムカしながら、家に帰り。
シャワーだけでは気分も変わらないかと風呂をいれた。
音を立てながら、溜まっていく湯を見るうちに段々と気持ちが落ち着いてきた。
怒っている内は元気だった気持ちが、篠田の気配のないしずまりかえった我が家を自覚した途端に、空元気とともにペチャンとつぶれた。
先程のまるで「女の子」にするような態度を他の男に許してしまった自分と。
こちらが真剣になればなるほど、面白そうに瞳を輝かしたタクミに、怒っているうちは紛れていたが。
、、、もしかして、気をまぎらわすためにワザとタクミはふざけたのだろうか。
頭に浮かんだ考えに、頭をふる。
深夜に、一人で。
二人の家にいる寂しさに溺れそうになる。
「早く、目ぇ覚ませよ。」
ポツリと浴室に落ちた声は、苦しさに歪んで。
にじんだ涙ととけて、浴室に響く。
前に俺が入院した時には、篠田にもこんな想いをさせたのかと、ふと思った。
ベットに入ってからも、疲れてはいるのに全く眠くはならず。
布団の中で、何度も寝返りをうつうちに目覚ましがなった。
寝不足の頭でぼんやりとしたながら出社して、いつもはしないよう
最初のコメントを投稿しよう!