原西と社長

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今しがたの出来事を、本人の前で話すのも気がひけて 「ちょっと話せるか?」 と言いながら席を外そうとすると、 「もうすぐそっちに着くんで、着いてからでいっすか?」 予想外の返事をかえされた。 驚いて場所を訊ねると、確かに職場のすぐ側だった。 「今日、喜多川と会う約束があったんで。」 ぶっきらぼうに返されて、思わずいくらなんでもお前ら仲がよすぎねぇか?と呆れた。 「、、、付き合ってるんで、普通ッス。」 返された答えに顎が外れるほど驚いて、思わず振りかえってポカンと喜多川をみた。 付き合ってる? 喜多川が、篠田と?? 思いもよらなかった事実に茫然としていると、不思議そうに俺を見ていた喜多川が、なにかを理解して突然顔を、真っ赤に染め上げた。 マジかよ。 「湊は、無事っすか。」 あまりの驚きに呆けていたが、篠田の押し殺したような声にやっと覚醒する。 「あ、あぁ。でも、今日は一人にしないほうが良いと思う。 お前、泊まれるのか?」 大丈夫ッスと返されて、ホッとした。 篠田がきたら、新堂を病院に連れていける。 嫌がるかもしれないが、大事をとってCT もとったほうがよいだろう。
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