第1章

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「はい、じゃあ隣の人と二人組を作って。お互いにこのページから好きな詩を選んで朗読してください」 月曜日、いつもの気怠い授業時間。 教師の言葉に、何人かが不満そうな声を漏らした。 確かにこれは面倒かも、と思いながらも俺はゆっくりと手を挙げる。 「せんせー、俺の隣休みなんですけど」 「あら、本当ね。じゃあ、相島くんは……」 俺は頬杖をつきながら、何やら考えている教師から視線を外す。 そして、思わず固まった。 目が合ったのだ。 窓際の一番前。眼鏡をかけたクラスメイト――篠原が、真っ直ぐにこちらを見据えていた。 ただ注目されているだけなのに、その視線に射抜かれるようでぎくしゃくしてしまう。 「あ、篠原くんの隣もお休みね。じゃあ、二人でペアになってちょうだい」 俺は慌てて教師へと視線を戻した。 嘘だろ、と心の中で呟く。 まさか無口で有名なあの篠原と組むことになるなんて。 組んだ相手が友人なら、朗読なんて放っておいて世間話でもしたのに。 真面目くんが相手じゃ、それは出来ないだろう。 俺はこっそりため息を吐いた。
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