近寄らないで

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「え、ちょ、ヒロト」 「やるよな、サク」  メガネの奥の瞳が光る。  わかってる。  ヒロトが背中を押してくれていることくらい。  彼は普段、協力的な態度を取ることが少ない。  チカのことでオレがどれだけ切羽詰まっているかを察知して、珍しく行動を伴って心配してくれているのだろう。  だけど、だけどオレは。 「彼はやりたがっていませんよ。あなたがどんなに推薦したって無駄だと思います、やる気がないんじゃ」  ……チカ。  そこまで頑なだと、ちょっと……ムカついてくるんですけど。  オレをなんだと思ってるわけ?  やっぱり……やっぱり、チカはオレのこと全然見てない。
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