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いままでの短い人生のなか、パッとした瞬間なんてただの一度もなくて、「オレいま世界の中心だぜ」と感じたことさえも、一瞬たりともない。
大きな嬉しい勘違いもせず、現実を現実として冷静に受けとめ、ただホワホワ漂っているクラゲ。
新しいな、クラゲ男子。
それ、オレ。
オレはなにも考えず、なんとなく、本当になんとなく後腐れなく進んでいくのが得意なのかも知れないと思う。
それは一種の特技のようでいて、実は欠点なんだろうか。
なんて考えてしまうのも、一瞬の、いわゆる気の迷い。
気のせいだ。
……そう、気のせいだ。
そうに違いない。
さっきから、隣の男があからさまにオレの肩に寄り掛かってきているなんてこと。
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