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電車のなかは比較的空いている。
二時限目から通う場合、そんなに混まないのが通常だ。
その、大して混雑のない車内、オレの右隣には若い男が座っている。
左隣は手すりだ。
隅っこバンザイ。
ひと駅前まで彼の隣に座っていたおばさん連中がごっそりと消えても、彼はオレとの幅を取るために座り直すことなく、そのままそこにいる。
理由は簡単。
爆睡しているから。
重たいんですけど。
ふわふわした髪の毛が微かに頬に触れてくるから、くすぐったいんですけど。
ハタから見たら彼氏彼女ならぬ、彼氏彼氏なんですけど。
まあ、それは冗談として。
ここまで完璧に爆睡するなんて、終電の酔っぱらいだけかと思ってた。
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