たとえ国を敵に回しても~

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「ホントはヤだよ!私だってみんなと一緒にこうやって暮らしたいよ…!」 真ん中の子はボロボロ泣きながら思いの丈を吐き出す。 …あれ?なんかこの状況…どっかで…? あ、この前読んだ小説の内容と似てる! 新作の何作品かがこんな感じの内容だった! まさか…俺がそんな状況を体験するなんて… 人生何が起きるか分からんな。 「でも…!もう待てないって…!今日の22時までに了承しないと、最後の手段に出るって…!」 「最後の手段?」 「…国の軍を使ってこの家を攻撃するって…!だからわたし…!」 はぁ…そのご子息も俺と同じ小説を読んでたのか? それとも素でそれなのか?どちらにせよ…小説の内容に沿ったキャラだな、そいつ。 顔が見てみてぇ。 「だってよ、もう子供同士の問題じゃ収まりが着かねえな」 「はい」 「こういう時こそ、私たち大人の出番ですね」 待ってましたと言わんばかりに、メイド達はふんわりキラキラの柔らかい笑顔で立ち上がった。
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