第1章

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夏休みが始まる頃、あの人は、理事長の秘書として祭壇に立ち、皆にあやっまった。 理事長の意向で、生徒の生活模様の様子を見ていたと話し。いじめもなく勤勉的、社交性も申し分ないと話していた。 そして、夏休み、父さんとあの人は、結婚した。 俺は。 おめでとうなんていう気もなかったし、顔だけだして行方をくらまそうと考えた。 しかし、花嫁姿で寄ってくるあの人から逃げることはできなかった。 目を合わせられなかった。 眼を伏せた。 なにか話してる。 なんだろう。 これ。数カ月しか一緒にいなかっのに。 何回も恋はしたしてきた。憧れた人もいた。 この人に想い描いたのは、恋なんて呼べるものじゃなくて、淡い想い。 ブーケを渡されあの時と転校初日の笑顔で微笑む。 好きだという気持ちが芽生え初めていたのだと気付いて。 涙が頬を伝う。 あの人は、父の傍に戻り幸せそうに微笑んだ。 華のよき日に…。
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