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「始めまして、佐倉 由紀です。」
高三の春に転校してきた珍しい転校生は、新品の制服を身につけ、ポニーテールを結い、ニッコリと笑った。
先生が、転校生の軽い説明をして、俺の隣の席に着くようにと話した。
「よろしく。」
とかわいらしく笑う転校生にああと 生返事をかえした。
休み時間になると、学級委員長の田中が昼休みにでも、学校を案内するからと話しかけていた。
「大丈夫。学校の中なら全部把握してるから」
「えっ?」
「何度かきたことあるのよ。姉がこの学校の卒業生なの。」
「ああ そうなんだ。」
残念そうに言う田中に心の中で細くに微笑んだ。
「佐倉さん、つぎの授業、一緒に行かない?」
学級長が話しかけた後から、女子達が、ちらほらと話しかけてきて1ヶ月ぐらいで、馴染んでいく転校生を隣で見ていた。
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