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それから 数週間、佐倉は、顔をみせなかった。
逃げたことで、俺の見る目変わった。
「なにも 事故らせることないんじゃない。」
「別に、勉強教えるぐらいで」
なんだよ あの女が、悪いんだよ。信号もみないで突っ込んだんだぞ。
机を鳴らして立ち上がると、噂話しは、ぴたりととまる。
学校が終わるまで屋上に隠れた。
「見つけた。」
声がしたほうを振り向くと転校初日に見せた笑顔で立っていた。
「なーに お化けみたような顔してるの?」
ふいっと顔をそらす。
「泣いてんの?」
「泣くわけねぇだろ」
「あっそ」
「あやまんねぇからな。」
「えっ?」
「逃げたこと」
「あーいいよ あれは、私が悪いんだし。」
「なら、俺に用なんてないだろ」
「…勉強教えて。」
「おまえ、懲りてねぇだろ、おまえの頭なら、俺におそわらなくても」
「怪我はさせたわ。そのお詫びに教えなさい。」
「おまえ」
「あー面倒くさい。正直にいうわ。」
「なんだよ。」
「私 貴方に興味があるの。」
「はぁ?」
「勉強以外でもいいわ。あっ、誤解しないようにいうけど、好きってわけじゃないから」
「…」
「ねぇ どっか行こう。」
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