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「佐倉と龍一の勝負見に行くだろ?」
「勝てる訳ねぇだろ。龍一に。」
「龍一、なんでそんな勝負受けてんのかな?」
運動着に着替えた二人が並ぶ。
竹中の合図で走りだす。
「速い…。」
二人の速さは、互角。 だが、 一方リードしたのは、やはり龍一のほうだった。
「やっぱり 無理ね…」
「おまえ 速過ぎ…」
全力疾走し、息を整えながら、座り込む。
どこからか拍手の音が聞こえ、 廻りも一緒に拍手しだした。
「由紀…」
「あら、来たのね。」
「父さん」
「病み上がりに…」
「やっぱり 若い頃とは違うわね。」
「全く…」
「理事長。」
「竹中先生。保健室お借りします。」
男は、佐倉を抱きかかえて 龍一に、おまえも来いと目を向ける。
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