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「なんで、父さんがここに?」
「龍一、 あらためて紹介する。朝倉 由紀さんだ。」
「朝倉?」
「朝倉由紀。25歳。生まれは、この水口町で、結婚するために帰ってきました。」
「?」
「失礼します。」
「兄さん?」
「龍一君に、陸上部に戻ってほしかったのよ。理事長とお兄さんの望みを叶えたかった」
「理事長と兄さんの望みって?」
「龍一、私と達也なら大丈夫だ。お前の望む大学に進学しなさい。」
「なにいってんだよ。借金は…」
「なんとかなるだろ。」
「俺に遠慮するな。」
「そう。二人に遠慮しないで甘えなさい。私が貴方の、母親になってあげるから。」
「はっ…母親ぁぁ??どういうことだよとうさん!!!」
「私の妻になる由紀だ。俺もこっちに戻る予定だからな。一緒に」
「暮らさないよ 俺は認めないからなぁ!!」
「諦めろ。父さんには勝てないんだから。」
幸せそうに微笑む二人に、もう口を挟む余裕がなかった。
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