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ある日、慧がたまたま出かけていて、帰ってくるまでの15分程度、オレが1人でお客さんの相手をすることになった。
お客さんは以前からのお得意さんで、インテリア事務所の40代の女性、有村さん(あの、オレの顔をしげしげと見た人だ)。
慧がこのマンションに住み始めたとき、部屋のコーディネートをしてくれたのもこの有村さんだそうで、慧とは、彼がまだアルバイトをしていた頃からの知り合いらしい。
「すいません、北城は急な用事で外出していまして──もうそろそろ戻ると思いますので」
お茶を出しながらそういって謝ると、彼女はまた、オレの顔をじーっと見て言った。
「あなた……北城くんと一緒に、ここに住んでるの?」
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