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慧はやっぱり、そのために前々から準備をしていたんだなあと、改めて思う。
「それからもう一つ。いざというとき、大切な人を支えられるように、経済的な面でもある程度はゆとりを持っておきたかったんですって。その大切な人っていうのは、あなたのことなんでしょ?」
「ええっ」
いきなりまた話をこっちに振られて、オレはギクッとした。
「ああいう子だから、私はてっきり年上の、色っぽーい感じの恋人でもいるのかなと思っていたんだけど……あなたが、想像してたのとは正反対のタイプでビックリ。それも、男の子だなんてね」
オレが二の句を継げずにいると、有村さんは肩をすくめた。
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