3 失われた記憶

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(やってみたい仕事はいろいろあったけど、でも、そういう観点で考えたことはなかったなぁ。オレも自分の進路のこと、真剣に考えなきゃ)  そんなことを考えているうちに、玄関のチャイムが鳴り、クライアントがやってきたので、オレは急いで、それを迎えるために出ていった。 「こんにちは。ああ──あなたが、学生アルバイトの方?」  今まで北城慧は、仕事の一切を全部自分1人でやってきたので。  急に別の人間が出ても、お客さんがビックリしないように、オレのことを、あらかじめ話してくれていたらしい。
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