第1章

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「木崎メシ食べてた?」 「……ん?」 10時を過ぎて休憩ついでにコーヒーを買おうと席を立った時 初見がこちらを見て尋ねてきた。 「やつれたでしょ」 「そうかも。食欲なかったから」 「いつもじゃない?それ。 昼飯一緒に出ない?」 オフィス街なのでこの辺りの店は空いているだろう。 「いいよ」 「じゃあ11時半になったら」 「はい…… 初見今ならコーヒー奢るよ」 「じゃあカフェオレ」 「了解」 扉を開けて廊下に出た。 このフロアに人はいない。 自販機の音が良く響く。 私に土日出社は駄目だと言っていたけれど 初見はずっと出社していたのではないかと 今更ながら気が付いた。 「……」 この一週間全部こなしてくれていたかと思うと 凄くありがたい。
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