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秋になると紅葉が咲き誇るこの庭は、秋が終わる頃には、紅葉の絨毯が出来上がる。
小学校から、幼なじみの家で見ている庭にちらつく幻影、誰かが倒れていて手を延ばせば、紅葉が、俺の手を赤く染めた。
布団の上で眼を開けるといつも決まって、あいつが俺の傍らで手を握っている。
「またか…」
つぶやき、起き上がる。
傍らにいるのは、幼なじみの、赤西結衣。
結衣は、小、中、高と一緒で、仲がよかった。
結衣の家に、母親から頼まれた物を届けに来た。
結衣が久しぶりにあがったらといったので、お言葉に甘えた。
キッチンと茶の間仕切りが無く、リビングが広がり、ソファに腰を下ろした。
カーテンが開き、窓も開いていた。
飛び込んでくる。紅葉に目眩を覚えた。
その後の記憶がない。
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