第1話:白の同居人

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(……それにしても、チクショウ……。こんな美少女が相手じゃあ迂闊に頬擦り&スキンシップできないぢゃんかよォ……ッ!) 「それなら大丈夫ですよ、ご主人様。ささ、いつものように私に頬擦りしたり情熱的に抱きしめたりして下さいな♪」 「ちょっと待てなんで心を読めたんだお前!?」 「そりゃあ、学校の時以外は毎日ずっとご主人様と一緒に居たんですよ?」  紅井の疑問に、何やら得意げにナナは答え、 「ですから私、ご主人様の事は、性格・思考・思想・趣味・特技・性癖・嗜好・好み・好きな属性まで、ご主人様の情報は全て網羅しているって自負してますから♪」 「いやオイちょっと待て! 最後の『好きな属性』ってのは何なんだよ!?」 「ご主人様の好きな属性は確か……『白髪or銀髪』および『巨乳』および『メイドさん』でしたね。んもぅ、これ全部いまの私に当てはまる属性じゃないですかやーだー♪」 「…………」  沈黙の紅井。  彼の胸中には、「一体なぜコイツは俺の性癖を把握しているんだ?」という戦慄にも似た疑問が渦巻いていた。やはり主人公らしくない男である。 「ちなみに私、ご主人様が望むのなら、日頃溜まった思春期の性の欲望を引き受ける性処理係も喜んで勤めさせて頂きますし、どんなプレイもご主人様の仰せのままに実行致します//」  そんな紅井をよそに、赤らめた頬に両手を当てながら言うナナ。 「どこでそんな事覚えたんだコイツわ……」  紅井からすると、驚き三割残りは呆れであった。
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