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「そういやお前って、箸の使い方とか分かんのか?」
「そりゃあ分かりますよ、天才美少女ですもの」
自信満々なナナの手元を見てみると、宣言通り、箸がしっかりとした持ち方で持たれていた。
「ホントだ。さすが天才(笑)美少女(笑)だな(失笑)」
「そんな、3回も連続で笑うなんてひどいですご主人様……っ。あ……っ。でも、言葉責めも……不思議と感じちゃうっ//」
「いただきまーす。──……んー、今回はちょっと目玉焼きの茹で加減間違えたかなぁ。もう少し半熟に近づけたほうが良かった気がするわこれ」
「ちょっ……スルーですかご主人様」
「あ、でもこっちの鯖は我ながら上手く塩焼きできてんなぁ。うーん美味い。やっぱ日本人の朝は和食に限るな」
「ご主人様ってばぁ!」
「あ、ごめん聞こえてたうえで無視ってた」
「うぅー……。ご主人様の鬼! 悪魔! ドS! 人でなし! 痴漢! レイプ魔!」
「おいコラ最後の2つは明らかに関係無いだろ違うだろ」
「はっ! さては私にエロいことするつもりなんですね! エロ同人みたいに! 大歓迎ですよ!!」
「歓迎なのかよ」
「それはもう大歓迎ですよ! さぁ! 早く私と生殖行為を致しましょう! 生殖行為! 分かりやすく言うとセック」
「うおっしゃらあぁぁッ!」
「あべしっ!?」
またもナナに炸裂したのは、露骨な下ネタを防がんとする紅井の拳骨だった。
「うぅー……。そりゃあご主人様からの攻撃ならある程度は快感に変えられますけど、物事には限度ってものがあるじゃないですかー……」
「限度を超えた変態が限度を語るか」
殴られた箇所を手で押さえながら涙目で言うナナに、紅井は淡々と返す。
それにしても、『ご主人様からの攻撃ならある程度は快感に変えられる』て。
──やっぱコイツはヤベえ。
紅井は、再びそう戦慄した。
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