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「「ごちそうさまでした」」
ナナの変態性が垣間見えるなどの一悶着あったが、ようやく朝食を食べ終えた紅井とナナは、そう言い合掌した。
紅井はおもむろに席を立ち、食器を手に取り積み重ねてキッチンへと持って行くと、張られた水にそれらを浸す。ナナも紅井に倣い、同じような動作をした。
「さて、時間は……っと」
2階に上がって支度をする前に、リビングにある壁掛け時計で時間を確認する。時刻はちょうど7時40分。
またもナナと遊び過ぎたがそのおかげでいい具合に時間が潰せた、と紅井は思いつつナナと共に自室へと向かう。
「……今から着替えっからちょっと出ててほしいんだけど」
「あぁ、それなら大丈夫ですよご主人様。邪魔はしませんので。どうぞお着替え下さいぐへへ」
「邪魔しないとかそういう問題じゃないんだよ下心丸見えなんだよ」
「食い入るように舐め回すように凝視してますがどうかお気になさらず」
「むしろそれを気にしてるんだっつうの!」
「むしろ視姦して、隙あらば襲い掛かりますが、どうぞお気になさらず。ささ」
「だからなおさら気にするっつってんだろ! いいから早よ出ろド変態!」
「見るぐらい減るもんではありませんのにぃ……」などとこぼしている不満げなナナを、紅井は無理矢理に部屋から閉め出した。
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