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「く、くそぅ……。まさか、本当に僕はこの美少女に嫌われたと言うのか……!? いったい僕の何がいけなかったんだ……」
「本気でそう思ってんなら1~2ページ前をよーく読み返してみろ」
「……ところで。……ちょっと、そこの塵芥(ちりあくた)!」
「え、なに? 『塵芥』って僕のこと?」
「いいですか、塵芥の腐れゴミ虫。
あなたみたいな害虫がご主人様とつるんでいたら、ご主人様にまで悪影響が及んでしまいます。
なのでゴミ虫。ウチのご主人様には、永遠に永久に今後一切金輪際未来永劫関わらないで下さい。
分かったらさっさと立ち去りなさい。この産業廃棄物が」
「」
拓二、ナナの猛毒舌に早くも本日二度目の閉口。なんだか割と本気で拓二が不憫に思えてきた紅井だった。
「……まぁ元気出せよ、拓二。お前は確かに度が過ぎた女好きだけど、あれだ。悪いヤツじゃあないからな」
「……もう死んで下さいよ、ゴミ虫。あなたは確かに度が過ぎた女好きですが、あれです。産業廃棄物なんで今すぐに呼吸を止めて下さい」
「もう泣いてもいい?」
紅井の励ましも虚しく、紅井の台詞に準(なぞら)えて放ったナナの暴言により、拓二はメンタルに多大なダメージを負っていた。
というかナナは、いくら相手が弩級の女好きな変態だからって、何故あそこまで躊躇なく毒を吐けるのだろうか。
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