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場所は少し変わり、現在紅井家・リビング。
さっきまで玄関で話していた三人だったが、ずっとそんな場所に居るのも何だから、と移動した次第だ。
ちなみに、紅井家のリビングは玄関上がってすぐ左にあり、広さは15畳程である。
そんなリビングのソファーに、紅井と拓二は座っていた。
ナナはと言うと、リビングから繋がるキッチンで三人分のお茶を注いでいる。
「そういえば、一矢……相談があるんだ」
と。
唐突に、ソファーに背を投げ出していた拓二が、肘を太ももに乗せて前傾姿勢になり、指を組みながら切り出してきた。
「……何だよ、相談って」
珍しく神妙な様子の拓二に、何事かと思いつつもそう返した紅井。
何故このタイミングでそんな事を言い出したのかも疑問だったが、まあ(変態とはいえ)友の悩みに何かしら力添えできるのなら気にはしない。
紅井の促しをえた拓二は、相変わらず真剣な眼差しで、
「一矢……どうすればナナちゃんをぺろぺろ出来ると思う? 僕はナナちゃんをぺろってhsってくんかりたいんだ」
「もういい、俺がバカだったよ」
せっかく真面目に聞いてみようと思ったら、その中身は、拓二では絶対に成就不可能なしょーもない悲願だった。しかも、そんな事を真顔で言い放ったのだから呆れるほかない。
後半に飛び出していた新しい動詞にもツッコんでやりたかったが、とりあえずシリアスを返してほしかった。
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