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◆ ◆
「手強い変態だった……」
あれから数時間後。スーパーハイテンションになった拓二をどうにか鎮めて帰すことに成功したふたりは、紅井の部屋に居た。
しかし……と言うかやはりと言うか、その表情は疲弊しきっており、激戦があった事が窺える。
「ご主人様。もうあんなゴミを私の半径50m以内に近付けないようにしましょう」
「そんなに忌み嫌うか」
「当たり前じゃないですか! まったく、ご主人様の前だというのに何度私の貞操が奪われかけたことか……」
「まぁそりゃあ……拓二だからな」
「……そうですよね。ゴミ虫ですもんね」
と言う紅井とナナが思い出すのは、ナナに殴られようとも蹴られようとも、何度でも復活してはセクハラに尽力していた変態の姿。
紅井は、性犯罪まがいの行為にあそこまで堂々と真摯かつ真剣に取り組む人間を拓二の他には知らない。いや、そんな奴がそう易々といても困るのだが。
「……まあ、そんな変態虫野郎の事はさておき。そろそろお夕飯の時間ですね、ご主人様」
「あぁ、そういや確かにもう6時過ぎだな。何か晩飯のリクエストはあるか?」
「ご主人様の精え」
「晩飯は抜きでいい、と」
「嘘ですごめんなさい」
結局、下ネタを使い回したナナが真面目にリクエストした結果オムライスを作ることになった。
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