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「イッグザクトリィ! 流石はご主人様! 私の賢いご主人様は理解が早くて助かります♪」
どうやらそのありえない事こそが正解だったようだ。
感心したように両手を合わせ、花が咲いたかのような綺麗な笑顔を浮かべながら言う、目の前の全裸の美少女──彼女曰く『ナナ』だが……、
「……それはそうとお前、服着ろよ」
内心では史上初の女の子の裸にかなりドキドキしながらも、紅井は、表面上はクールにそう呟いた。我ながら鋼の自制心が良い仕事をしたと思う。
実は先程からずっと言おうと思ってはいたのだが、何というか、今まであまりに急展開過ぎて切り出すタイミングが分からなかったのだった。
「そうしたいのは山々なのですが、私は一着も服を持ち合わせていないのでございます。それに……ご主人様になら、いくら見られてもむしろ興奮するだけですし//」
「ンな変態なこと言ってないで、ホラ、とりあえずそこのクローゼットからテキトーに選んで着とけよ。男物しかないが、着ないよりかはマシだろうしな」
そういや『クローゼット』って、なんか響きが異様にカッコイイ単語だな。と、軽く現実から目を背けつつそんな事を考える紅井。
「ありがとうございますご主人様♪ では出来るだけ、ご主人様の匂いが“たっぷりと”染み付いた服にいたしますね」
「……あ、うん……」
何故か紅井に対する好感度がはじめから最高値の彼女のその台詞は、果たして、元が犬だからなのだろうか。
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