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さて、ナナも服を着終えた……のだがしかし。
何というか、その服装がもう、私服の範囲内ではなかった。
というのも、現在ナナが着用しているそれが、いわゆる メ イ ド 服 だからである。
(より詳しく表すなら、黒を基調として白いフリルが付いたエプロンドレスタイプのものであるッ! この装備こそがシンプルにして王道かつ究極ッ! おまけにホワイトブリム(←メイドさんの頭によく付いてるカチューシャ)まで完備! これで死角はない! まさに、起源にして頂点ッ!)
そんな、紅井の匂いがたっぷりと染み付いてはいないであろう服をノリノリで選んで着たナナも謎だが、そもそも何故、紅井の部屋にはこんな服があったのだろうか?
そして何故、紅井はメイド服について異様に情熱的に語り始めたのだろうか?
「それは……スルーの方向でよろしく頼む」
どうやらツッコまれると困る箇所らしい。
これ以上は、主人公という名誉の立場にある紅井のボロが出そうなので(もう出てるかもしれないが)、この話題はさておき。
紅井の頭の中には、まだ根本的な解せない疑問が残っていた。
それは──
「──お前、そもそも……なんで人間になった? というかなれた?」
そう、まずはそこからだった。
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