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ねえねえ月よ お月さま
あたしこれから あなたに会いに行くの
だからあたし とってもとっても急いでいるの
兎よ兎
お前の気持ちは嬉しいが
ちょっと急ぎ過ぎや
しないのかい?
お前にほんとに必要なのは
私じゃなくて
お前の遥か
後ろにいる
私よりも優しくて
とても綺麗な心を持っている
そんなものでは
ないのかい?
お月さまひどい
話をはぐらかしてもダメよ
ちゃんとあたしの
この可憐で速い
自慢の脚を見てよ
すぐにあなたのもとへと
駆けつけるわ
だからちょっと
待っててね
兎よ兎
残念ながら
お前は何も見えていない
お前の一番に愛すべき
けなげなものの
愛に気づいていないのだ
私は月だ
皆に愛されるものだ
お前ひとりに
愛されるために
生まれてきたのでは
ないのだよ
そうなの?
一番の愛?
それをくれるのは誰?
それはどこにいるの?
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