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全く動く気がなさそうな奏の頭に向かって、何の躊躇いも無くカバンをフルスイング。
ゴツンといい音がして床に転がり落ちる彼の持っていた雑誌を取り上げてゴミ箱に放り投げると同時にガバッと起き上がった。
「なにすんだよ、雫珠!もっのすごい痛かったぞ!?ほらたんこぶできたし!」
「行く時間なのに読んでいる方が悪い。奏、一度読み始めたら止まらないでしょ」
「そ、そうだけどいきなり殴るのは……」
「こうでもしないと手放さないでしょ」
会話をしながらも玄関へ行って外へ出て、しっかりと鍵をかけたことを確認して校舎までの道を歩いていく。
周りを見渡せば、至る所にある白い建物からわたし達と同じ黒い制服を着た子たちが出てきている。
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