序章 サイレンが鳴り響くとき

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わたしと奏が住む寮は、ひとつの部屋に二人の生徒が入る。 普段なら男女別に分かれるのに、人数が足りなかったのかわたし達は同じ部屋になった。 特例措置として、個室が二つと小さなリビングがついた部屋にしてもらっているおかげで、ほかの子達よりは部屋が大きいらしい。 「ねぇ奏……今日は、あいつら来るのかな?」 「さあな……。それは俺にもわかんねーよ。でも、最近来てないからな……そろそろじゃないか?」 校舎までの道を歩きながら、ふと出てきた言葉。奏はわたしの方を見ずに答えてくれた。 小さい頃にここに来て初めて見たのは、赤い光。 それは、わたしの記憶に焼き付いている。
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