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「まあ、いつ来てもいいように逃げ道は確保して――」
苦笑いしながら言う奏の言葉をかき消すように、はるか前方にある校舎から巨大なサイレンが鳴り響く。
「雫珠!」
「うん!」
嫌というほど聞きなれたこのサイレンを聞きながら、わたし達は近くにある茂みに隠れた。
周りを見れば、全員蜘蛛の子を散らすように何処かへと走っていく。
サイレンが止むと同時に、首につけているチョーカーから投影されたホログラムウィンドウが表示された。
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当プログラム終了ノルマ
300人
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それを確認すると同時に、ついさっきまで歩いていた道をたくさんの白い人型アンドロイドが通る。
《プログラム 開始シマス》
機械的な音声とともに目が赤く光り、進行先にいた逃げ遅れたらしい男の子の身体を赤いレーザーが貫く。
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