賢者の石

星、落ちて

堂々と歩いたのはいいが、どうも視線が突き刺さる。

なんで？ぼっちなのに堂々としてるから？

こっちを見てヒソヒソ話す女子グループや、顔を赤く染める人もいる。

おいこら、ぼっちかわいそーって言ってるのか！どうなんだ、あぁん？言ってみ？怒らないから言ってみ？

｢おい、話しかけてこいよお前。1人みたいだし｣

ちょっと待って。ねぇ、それどういう意味？どういう意味？

お友達希望ですか？

でも、最初から男子だと『あの子男好き』とか言われちゃうから。女子の世界は複雑だからさー、あと5年くらい経ったらお願いします。

初めては女の子って決めてるんだからー。

前のグループを追い越して、逃げるように学園へ向かって早足で歩いた。

けれども、何処へ行っても学生がいる。この時間帯は多いんだね。やっぱり、明日からもっと早めに来よう。

ということは、もう教室に人がいる可能性があるよね。

時刻はまだ8時10分。

朝のSHRが始まるのは30分。あと、20分もある。20分も教室でぼっちは辛いぞ。

仕方ない、教室まで遠回りしよう。出来るだけ人がいない所へ。30分ギリギリに着くように。