0人が本棚に入れています
本棚に追加
人気のないの所をフラフラと彷徨っていると、どこからか卑下た笑い声が聞こえた。
1人や2人ではない。少なくとも4、5人はいる。
「あんたさぁ、最近うざいんだよねぇ。なに?もしかして、雅美様より強いとか思ってんのぉ?」
あれま。もしかしてここって、不良の溜まり場ですか?
「……そんなこと思ってない」
「はぁ?聞こえないんですけどぉ」
白亜色の大きな校舎の陰となり、雑草がそこかしこに伸び、陽の当たらない場所をそっと、興味本位で覗いてみた。
そこには、6人の少女がいた。尚、この中に黒髪はいない。
状況を見るに、5対1のようだ。ここからは、脅されている少女の顔は確認できない。それとは反対に、5人のいじめっ子たちの顔はよく見える。
2人のいじめっ子が、少女の顔を覗き込むように脅しており、残った3人は後ろに立っている。
後ろの3人組の真ん中に立っている金髪少女は、腕を組みながら指先でトントンと自らの腕を叩く。その瞳は心なしか、苛立っているように感じた。
ど、どどどどどうしよう。
興味本位で覗いてみたけど、想像以上に恐い。
見捨てるのも夢見が悪いし、かと言って助けに入っても相手は5人。無謀だ。一緒にボコボコにされるのは火を見るよりも明らかだ。
最初のコメントを投稿しよう!