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そう思考している間にも、彼女らの甲高い耳障りな声は止まない。
「あんた、今度の妖鬼伐採戦に参加するんでしょ?星3つ確定じゃん」
「ムカつく」
「雅美様より先になんて生意気よ!」
いじめっ子が吐き捨てるように言うと、後方にいる3人組の左右にいる少女達もそれに続いた。
あいも変わらず、真ん中にいる金髪少女は指先でトントンと腕を叩いて苛立っているようだ。この人が雅美様かな?
「そう簡単に3つ目は取れない。貴方達も知ってるはずでは?」
妖鬼伐採戦に参加するらしい水色の髪の少女が冷静に言葉を返した。
え?なんであの人冷静なの?
助けなくても大丈夫なパターンですか?
自分でどうにか出来ちゃう人なんですか?
「でも、私は3つ目を取る。こんな所でしか文句を言えない貴方達には無理でしょうけど。あぁ、間違えました。『雅美様』には無理でしょうね」
……この状況で煽りますか?
でも、これだけ煽るってことは、この状況を覆せるものがあるって事だよね。
なら、よかった。
というか、さっきからちょくちょく出る『星3つ』ってなんの事だろう。
気が抜け、他のことに思考が傾いた時、それは起こった。
「ッッ……!」
ずっと後方で口を閉ざしていた雅美様(仮)が子分たちの間を割って入り、水色の髪の少女の体が突き飛ばされた。
「貴女、自分の立場をわきまえてますの?」
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